■ 公証 Notarization について

◇Notary(ノータリー)とは

法律事務、書面上の署名の証明を行う資格を与えられ、法律を修習した法律家或いは者のことです。Notaryの業務は、各国の法制度によって異なります。

米国では、「notary public」と呼ばれます。法律文書を公証(notarize)、宣誓(oath)、確認(affirmation)を司ります。(コモン・ロー(※1)国では、notary pubicと呼ばれ、ローマ法制度の場合は、civil law notaryというそうです。)

米国のnotary publicは、州政府の知事又は総務長官又は州議会により指名されます。主たる役割は、重要書類の署名にあたり、公平な証人(witness)となることだそうです。また、米国のnotary publicは、他の国にはない、多くの広範囲にわたる行為をすることができます。例えば、宣誓供述書を取ること、第三者の不在者投票の証人となること、婚姻障害のないことの証明書の発行、セーフティー・デポジット・ボックス(貸金庫)の開封の立会い証人など。

Notary publicの主な機能は、宣誓(Oath)、確認(Affirmation)を行う、宣誓供述書(Affidavits)、宣言書(Declaration)、立会い(Witness)、証書(deeds)・譲渡証書(conveyances)・抗議書(protest note)・為替手形(acknowledgement)の認証など、その国の法に基づいて、法律行為をします。こうした行為が公証(notarization)として知られています。

◇Notary publicの歴史

古代ローマに起源を持ちます。彼らは、scribea(scribe)、tabellius(writer)、notarius(notary)などと呼ばれていました。中世イタリアでシビル・ロールネッサンスが起こった12世紀以降、ノータリーは法律の中心的な機関・制度として確立されたそうです。ノータリーは、歴史的には、法律的に重要な事項、また正式に認証された記録や、専門家が作成した書類・専門知識を必要とする書類につき、私事取引や事案を記録するものでした。

◇ラテン系の公証制度

(以下、日本公証人連合会のサイトより)

世界の公証人は、文書の認証、宣誓供述書の作成のみが職務とされているアメリカ型
の公証人(Notary Public)と、これに加えて公正証書の作成も公証人の職務権限と
されているラテン系の公証人(Notary)とに分かれているそうです。我が国、日本の公証人は、ラテン系公証人に属しています。

日本公証人連合会は、ドイツ、フランス、イタリア、ギリシャ、スペイン、メキシコ
などラテン系公証制度の国の公証人会により結成された公証人国際連合(UINL)に加
盟しています。

<<注釈>>
(※1)コモン・ロー
英国法において発生した法概念で、エクイティを含まない概念。広義の、英米法系として認識される。大陸法(シビル・ロー)との対概念にあるもの。