アポスティーユ(Apostille)とは
 
アポスティーユは,外務省や公証人役場等による,付箋による証明のことです。付箋による証明と聞くと,即座にポストイットなどを思い浮かべますが,そのような貼ってはがせるタイプの証明とか,そういう意味ではありません。
 アポスティーユといっても,普通の紙に証明が付されます。アポスティーユは,「ハーグ条約(外国公文書に関する認証を要求する制度の廃止を定める多国間条約)」において定められているものです。締約国間では,リーガリゼーション(※下記参照)を不要とし,領事の認証に代えて,発行国政府の作成する一定様式の証明書(アポスティーユ,Apostille)の付与のみで足りるとされています。すなわち,駐日領事の認証は原則不要となります。
 
(背景知識)
 外国の公的機関が発行した文書(例えば,婚姻要件具備証明書,会社の登記簿謄本等)を,国内の民事上の手続に使用する場合,多くの国では当該文書が真正に成立したことを外交官等が証明すること(Legalization又は Legalisation リーガリゼーション)を要求していました。(※現在でも,上記条約に加盟していない国では,この手続を要求されますし,加盟国であっても,提出先や用途によっては,要求される場合があります。)
 
リーガリゼーションとは,例えば,日本の公的機関が発行した公文書を使用する場合,国内で利用するときは,公文書上に公印が押されているのでそのままで使用できますが,他国の公的機関等に提出するためには,この文書が間違いなく日本の公的機関等の発行したものであることを外務省で証明して,それに基づいて駐日領事から証明を受けるという手続を踏む必要があります。この一連の手続のことをリーガリゼーションといいます。
 
リーガリゼーションの手続は,当事務所に御依頼される方も多いことから分かるように,煩雑であり,仕組みを理解することや手続自体に時間を要するので,認証を不要とすることが望まれていました。
 
そこで,外国公文書に関する認証(リーガリゼーション)を要求する制度の廃止を定める多国間条約(外国公文書の認証を不要とする条約(英: Convention Abolishing the Requirement of
 Legalisation for Foreign Public Documents),日本は1970年に批准。同年1970年7月27日に発効。)では,リーガリゼーションを不要とし,領事の認証に代えて,発行国政府の作成する一定様式の証明書(アポスティーユ,Apostille)の付与のみで足りることとしました。
 
 
(参考リンク)